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日蓮大聖人・池田大作

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第十五章 転重軽受 全人類救う宿命転換の仏法

講義「開目抄」「一生成仏抄」(池田大作全集第34巻)

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13  護法の実践で鍛え上げられた生命は、謗法の悪業という不純物をたたき出し、三世永遠に不滅となります。無始以来の生死の繰り返しのなか、この一生で日蓮大聖人の仏法に巡り合い、謗法を責め、自身の生命を鍛えあげることで宿命転換が実現し、永遠に崩れない仏界の境涯を胸中に確立することができる。それが「一生成仏」です。
 この日蓮仏法の透徹した実践は、私たちの人生における苦難の意味を一変させます。
 もはや、苦難は避けて通るべきマイナス要因ではなく、それに打ち勝つことで自分自身の成仏へと向かっていく積極的な要素となるのです。もちろん、苦難の渦中にいる人にとってみれば、苦難と戦うことは楽なことではありません。つらいこと、苦しいことを待ち望んでいる人などはいません。なければないほうがいいと考えるのが人情です。
 しかし、たとえ現実に苦難に直面したとしても、大転換の秘法を知って、「悪と戦ったからこそ、今、自分は苦難にあっている」と理解し、「この苦難を乗り越えた先には、大いなる成仏の境涯が開かれている」と確信していく人は、根本的に強い人生を生きぬくことができる。
 この究極の仏法の真実を、生命の奥底で体得しているのが、わが創価学会の同志であると確信します。
 その証に、わが同志は、苦難に直面した時に「強い」。そして何より「明るい」。それは、宿命転換という生命の根源の善のリズムを、すでに体験的に知っているからです。また、自分は経験していなくても、会得した他の同志の姿に日常的に接しているからです。
 宿命と戦いながら広宣流布の信心に立つ人の姿には、すでに願兼於業という仏法の究極の真実が映し出されています。
 どんな苦難も恐れない。どんな困難も嘆かない。雄々しく立ち向かっていく。この師子王の心を取り出して、「宿命」を「使命」に変え、偉大なる人間革命の勝利の劇を演じているのが、わが久遠の同志の大境涯といえます。
 したがって、仏法者にとっての敗北とは、苦難が起こることではなく、その苦難と戦わないことです。戦わないで逃げたとき、苦難は本当に宿命になってしまう。
 生ある限り戦い続ける。生きて生きて生きぬいて、戦って戦って戦いぬいていく。この人生の真髄を教える大聖人の宿命転換の哲学は、従来の宗教の苦難に対するとらえ方を一変する、偉大なる宗教革命でもあるのです。
 ”大変な時ほど宿命転換ができる””苦しい時こそ人間革命ができる””いかなる苦難があろうと必ず最後は転換できる”――この大確信に生きぬいていくのが、日蓮仏法の信心であります。そして、日蓮大聖人に直結して、この宿命転換の道を現実に歩み、宗教革命の大道を世界に開いているのが、わが創価学会であります。この誇りと喜びをもって、さらに前進していきましょう。

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