Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第十四章 「我日本の柱とならむ」 一人立て! 不二の誓願に生きよ!

講義「開目抄」「一生成仏抄」(池田大作全集第34巻)

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7  精神の柱、思想の眼目、救済の大船
 大聖人は「日本の柱」「日本の眼目」「日本の大船」と仰せです。
 言うまでもなく、「日本の」とは日本中心主義ではなく、一国謗法という末法の典型とも言うべき、深い悪世の様相を呈した国土だからです。裟婆世界の中で、最も苦しんでいる衆生と国土を救えれば全人類を救えます。
 大聖人御在世の日本は、精神の支柱を失って崩壊寸前の状況でした。謗法の毒を弘める悪僧が充満し、民衆は苦悩の海に漂っていたのです。
 柱がなければ家は倒壊します。精神の柱なき社会。悪知識が充満する社会。目的なき漂流の社会。その精神の荒野に、日蓮大聖人は、ただ一人で立ち上がられたのです。
 私が、倒壊した国の精神の柱となろう。
 私が、混迷した思想の正邪を見分ける眼目となろう。
 私が、漂流した民衆を救う大船となろう、と。
 この偉大なる誓願は、大聖人の御生涯にわたって貫かれたものです。
 大聖人を亡き者にしようと弾圧を加えてきた平左衛門尉の暴挙に対しても、こう厳然と獅子吼されます。
 「日蓮は日本国の棟梁なり予を失なうは日本国の柱橦はしらを倒すなり
 また、「種種御振舞御書」には、「開目抄」御執筆の心を次のようにつづられています。
 「日蓮にりて日本国の有無はあるべし、譬へば宅に柱なければ・たもたず人に魂なければ死人なり、日蓮は日本の人の魂なり平左衛門既に日本の柱をたをしぬ
 まさに、「日本の柱」とは、いかなる権力の魔性にも倒されない、万人救済の正義の信念に生きぬく覚悟と不惜の闘争があればこそ、表現できる言葉です。
 この御本仏の魂を受け継いだのが創価学会にほかなりません。いな、創価学会しかありません。
 私の脳裏には、会長就任直前の戸田先生の言葉が刻まれています。
 「私には広宣流布しかない」
 「私は立つぞ! 誰がなんと言おうが、恐れるものか! もう、何ものにも邪魔させるものか!」
 「私は、一人立つ!」と。
 いつの時代にあっても、いずれの国土にあっても、広宣流布は、常に「一人立つ精神」から始まります。「一人立つ」心があれば、妙法の力用は自在に発揮されます。
 私も、戸田先生の弟子として、世界広宣流布という未聞の道に「一人」立ち上がりました。
 「一人立つ精神」こそ、三世永遠に変わらぬ妙法弘通の根本原則です。
 そして、「誓願の心」こそ、法華経の行者の魂であり、大聖人の宗教の根幹です。
 この根幹を明かされてから以後の「開目抄」では、「転重軽受」「不求自得の成仏」「慈悲の折伏精神」など、師弟不二の誓願に生きゆく師子の根幹の道を、大爆布の下るがごとき勢いで、教えられていきます。それについては、次章以降に拝察していきましょう。

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