Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

「宿命転換の大宗教」の確立  

講義「御書の世界」(下)(池田大作全集第33巻)

前後
17  池田 そうです。誰しも宿命はある。しかし、宿命を真っ正面から見据えて、その本質の意味に立ち返れば、いかなる宿命も自身の人生を深めるためのものである。そして、宿命と戦う自分の姿が、万人の人生の鏡となっていく。
 すなわち、宿命を使命に変えた場合、その宿命は、悪から善へと役割を大きく変えていくことになる。「宿命を使命に変える」人は、誰人も、「願兼於業」の人であるといえるでしょう。
 だから、全てが、自分の使命であると受け止めて、前進し抜く人が、宿命転換のゴールへと向かっていくことができるのです。
 森中 なくそうとか、避けようとか、逃げようとする生き方では、結局、宿命転換が遅れるというわけですね。
 池田 今、私たち創価学会が世界に向かって挑戦しているのは、人類の宿命を転換できるかどうかです。
 斎藤 そのことで忘れられないエピソードがあります。トインビー博士が池田先生に、次のように尋ねられたとうかがいました。
 博士は、こう質問されました。「仏教には宿業論があるが、過去世から続くという宿業を、人間は変えることができるのか」という内容だったと聞きました。
 池田 そうです。はっきりと覚えてます。人生の栄光も労苦も経てきた人のみが醸し出すあの柔和な笑顔で、眼光には知性の輝きがありました。鋭い質問でした。
 私ははっきりと答えました。「日蓮大聖人の仏法では、因果倶時で、自身の宿命転換を果たしながら、社会を変えていくことができる。これが21世紀の世界と人類を変革していけるかどうかの急所ではないかと思います」
 私が語ると博士は深くうなずかれていた。
 私は博士に誓ったままに、一点も悔いなく、人類の宿命転換のために行動してきました。私のあとに青年が続くことを固く信じながら。
 私は、日本だけでなく、SGIの青年たちが、人類の宿命を転換しゆく大いなる挑戦の炎を更に赫々と燃やして闇を照らしゆくことを確信しています。

1
17