Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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極大と極小の間  

「わたしの随想集」「私の人生随想」「きのう きょう」(池田大作全集第19…

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5  この極大と極小の世界の法則は、一見かけ離れているようでありながら、じつは深いところで結びついている。
 大宇宙の壮大な法則を啓示した、相対性原理は、最小の世界「素粒子」を追究して証明されたという。光速に近い、素粒子の寿命が延びていることが観測されたのである。また、素粒子の不可思議さに遭遇した現代科学は、物質の究極を一種の「エネルギー」「場」「回転」で理解しようとしている。大宇宙のモデルを追究する、宇宙方程式も、素粒子の「場の量子論」をもとにしているという。
 極大と極小の世界を追究する科学が、ともに非常に哲学的な言葉、概念で表現せざるをえないということも、興趣をひく問題である。
 物質至上主義に引きずりまわされ、あくせく争っているのは、その中間たる人間だけなのであろうか。
 幾重の次元にも、階層的に重なり合いながら、整然たる法則で統一されている大宇宙という場――そのなかの人間の「エネルギー」「生命の場」というものは、いかに開発されていくべきか。ここに哲学への要請があるように、私には思えてならない。

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