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日蓮大聖人・池田大作

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民の心に聴く  

「随筆 人間革命」「私の履歴書」「つれずれ随想」(池田大作全集第22巻)

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3  いまの世の、政治のあり方はどうだろう。
 ロッキード、ダグラス、グラマンなどの航空機疑獄、KDD、税政連、トバク事件など、“鼓腹撃壌”どころか、寸刻も政治監視の目を離すことはできないありさまである。今回の衆参両院同時選挙(昭和五十五年)で、政治の浄化ということが大きな焦点となっていることに、私は感慨新たなものがある。というのも、昭和三十年代、わが有志を政治の世界へ送り出したとき、最も強く訴えたのが、この点であったからである。
 当時は「素人論議だ」といった類の嘲罵が、数多く投げかけられたものである。それから二十幾星霜、政治の浄化は、いまや国民的課題となってきているのである。
 今年の初め、私はこの随想で、日本の現状は「噴火山上に踊る」ありさまにほかならない、と述べた。どうやら火口は噴煙をあげ、多量のマグマ(岩漿)を流し始めたようである。
 「天の聡明は、我が民の聡明に自う」と古の賢人も言った。日本の前途を大事にいたらせないためにも、賢明なる民衆の存在、民衆の政治選択というものが、いまほど大切になってきた時代もないと思うのである。

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