Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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有為の雲  

「随筆 人間革命」「私の履歴書」「つれずれ随想」(池田大作全集第22巻)

前後
3  日蓮大聖人は御遺文集のなかで「秋の暮に月を詠めし時戯れむつびし人も月と共に有為の雲に入りて後面影ばかり身にそひて物いふことなし月は西山に入るといへども亦こん秋も詠むべし然れどもかくれし人は今いづくにか住みぬらんおぼつかなし」と、人生の無常なる一面を述べられつつ、日々確たる人生を築きゆくことの大切さを教えられている。
 「有為」とは「無為」に対する言葉で、流転し消滅しゆく事物をさす。
 たしかにそれも大切であろう。しかし「有為」がすべてと思っていると、それらが厚い雲の陰に隠れてしまったとき、残るのは言いようのない空しさだけではあるまいか。 ちょうど、イワン・イリッチがそうであったように──。
 かぎられた人生である。なにが「本当の事」であるかを見失うことのない求道と前進の日々、そして生涯でありたいものである。

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