Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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師子の筋  

「随筆 人間革命」「私の履歴書」「つれずれ随想」(池田大作全集第22巻)

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4  嘆きの友、愚痴の友と一緒になって、不平不満を分かち合うことはやさしい。しかし、そのなかからは進歩的な価値は、なんら生まれてこないであろう。解きゆかんとする最大の課題は、相互の胸中にある。
 声は生命の発露である。
 そこで私は、自分の言葉づかい、さらに声の響き一つひとつが、人びとに歓びを与え、楽しみを与え、生きゆく力をいかに助長させていける楔になっているかということを、つねづね反省したりする日々である。明るい、そして理想に向かいゆく生命力に満ちみちた音声というものは、たとえひとことでも、それを聞く人びとの心の琴線を、ある時は激しくゆさぶり、またある時は大きくつつみゆくことは、まちがいないことを知っているからだ。
 先ごろ、少年補導員の手記を集めた『非行は未然に防げる──ひと声の重み』という本が話題を呼んだ。
 非行に走ろうとする子どもは、かならずなんらかの“SOS”を発している。親がそれを敏感にキャッチし、ひとことでも激励や配慮の言葉をかけてあげれば、大半の非行は防げるというのである。どうかお母さん方は、わが子はもとより、ほかの人びとにも、太陽のような温かい光線を投げかけていける、豊かな生命力の日々であっていただきたいと念じている。

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