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日蓮大聖人・池田大作

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「報恩抄」 仏法の要諦は”一人立つ精神”

講義「諸法実相抄」「生死一大事血脈抄」(池田大作全集第24巻)

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17  時代を動かすものは、主義にあらず人間である――と言った先人がいます。我々もまた、一人の人間革命が日本の運命、世界の宿命をも変えていくことを確信している。
 日寛上人の「撰時抄文段」には「『時を知る以ての故に大法師と名づく』と云云。文意に云く、時尅相応の道を知るを以ての故に大法師と名づくと云云。大法師とは能く法を説いて衆生を利する故なり」(文段集二二二㌻)とあります。
 時を知り、時尅相応の道を選びつつ、衆生を利する大法師の出現があって、初めて広宣流布への確実な歩みが開始されることを忘れてはならない。末法の初め、時代と民衆が無明の深き眠りについていたころ、御本仏日蓮大聖人は末法弘通の大法を建立された。その法性の慧火は七百年余の歳月を経て、今旭日となり、地平を昇り始めています。
 総じて、時を知る――とは、人々が何を欲しているか、人情の機微を知ることも、人心の帰趨を知ることも含まれる。いかなる激浪をも乗り越え、機雷を回避しつつ、現実の舞台の中でカジを取り、眼光鋭く本源を見抜いて適切に処置をとる人でなければなりません。
 ゆえにそれは、民衆救済という大責任に立った時に、取りうる行動といえますし、その時にこそ初めて、民衆の有智の団結の輪はつくられゆくのであります。
 かつて、戸田先生は、広布を担いゆく丈夫に「いまはいかなる時かを凝視して」と呼びかけております。
 今、皆さんの敢闘によって、学会は、いよいよ時を得て、民衆の文化と平和へ貢献しゆく道を、着実に歩んでおります。どうか今後とも、広宣流布のために、立派な指導者に育たれるようお願い申し上げます。

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