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日蓮大聖人・池田大作

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「佐渡御書」講義 文永九年三月五十一歳御作 与弟子檀那

講義「諸法実相抄」「生死一大事血脈抄」(池田大作全集第24巻)

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41  「佐渡の国は紙候はぬ上面面に申せば煩あり一人ももるれば恨ありぬべし」
 今、大聖人が流罪になっておられる佐渡の地には、紙が十分にないのです。仮に紙が手に入っても一人一人に便りをするのは煩雑ですし、一人でもお手紙をいただかない人があったら、その人は恨みに思うでしょう。
 ですからこの「佐渡御書」を弟子檀那全員が、皆で見てほしいと述べられているのです。
 「心ざしあらん人人は寄合て御覧じ料簡候て心なぐさませ給へ」
 大聖人を本当に信じ、師匠と思っている人は、寄り合って、みんなでこのお手紙を拝読しあっていきなさい。そして信心の糧としていきなさい、と言われているのです。
 「世聞にまさる歎きだにも出来すれば劣る歎きは物ならず」
 世間にあっても、大きな難が出来した時は、小さな難などは、何でもなくなってしまう。
 「当時の軍に死する人人実不実は置く幾か悲しかるらん」
 この御書の初めに述べられている内乱事件の戦で死んだ人々は、どれほどか悲しいことであろうか。
 「いざはの入道さかべの入道いかになりぬらんかはのべ山城得行寺殿等の事いかにと書付て給べし」
 この人々は、鎌倉で土牢にとらえられていた門下の人々です。その後、どうしているか、知らせてほしいと言われているのです。
 「外典書の貞観政要すべて外典の物語八宗の相伝等此等がなくしては消息もかかれ候はぬにかまへてかまへて給候べし」
 『貞観政要』とは、唐の太宗皇帝が群臣達と政治について語ったものを編纂した書物です。その『貞観政要』や、その他の外道の物語、また倶舎、成実、律、法相、三論、華厳、天台、真言等の大聖人の時代に盛んであった八宗の相伝書などを送るように指示されています。佐渡で大聖人は多くの重要な御書やお手紙をしたためられていますが、その参考として必要なので送ってほしいと仰せられているのです。

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