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日蓮大聖人・池田大作

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革命と良心の葛藤劇 ユゴー『九十三年』

「若き日の読書」「続・若き日の読書」(池田大作全集第23巻)

前後
11  私は一九八一年六月に訪仏の際、ポエール上院議長の案内でフランス上院内の「ユゴーの部屋」などを見学した。そのとき、ポエール議長は私に、次のように語りかけた。
 「ユゴーは一八四八年にヨーロッパ統一ということを考え始めています。ヨーロッパの各国が互いにいがみ合っていた当時にあって、‥‥それぞれが互いに理解しあっていくことを夢みたということは、たいへんにすばらしい」
 ユゴーは、まさに未来を見つめる詩人であった。ちなみに、私がユゴーの「文学記念館」開設への着想を得たのは、このポエール議長との会見が縁となった。
 ユゴーには、早くから「一つの欧州」への願いがあった。それは国家の壁、民族の壁、そして人間の心の壁を打ち破る挑戦でもあった。ユゴーの夢みた「ヨーロッパ連合」の理想が、今や現実化しようとしている。

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