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日蓮大聖人・池田大作

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教育に賭ける情熱 ぺスタロッチ『隠者の夕暮・シュタンツだより』

「若き日の読書」「続・若き日の読書」(池田大作全集第23巻)

前後
8  教育こそ一国の死命を制するほどの大事業である。戦前の日本は、皇国史観による軍国主義教育によって、大きく道を踏みはずしてしまった。それによる犠牲──失われた多くの若い生命は、決して取り返すことはできまい。
 第二次大戦によって、ドイツもまた日本と同様に、敗戦国の憂き目をみた。だが、教育制度に関しては、占領軍によって押しつけられた政策を、きっぱりと拒絶したといわれている。
 「ドイツは、自分の国の教育は、自分たちでやるといって突っぱねた。えらい、このくらいの襟度があってしかるべきだ」
 かつて教育者でもあった戸田先生は、当時の青年たちと懇談の折、よくこのような話をされたものである。
 未来社会を担うものは、いうまでもなく青年であり、その後に陸続と続くであろう少年少女であることはまちがいない。生涯、苦難のなかを、誰よりも青年を愛し、人間教育の得がたい財宝を残してくださった戸田先生のなかに、ぺスタロッチのイメージがつねにダブって私の脳裡にうかぶのである。

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