Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

総本山での一日  

1971.6.2 「随筆 人間革命」「私の履歴書」「つれずれ随想」(池田大作全集第…

前後
1  心地よい朝であった。雨かと思っていたが、今日も晴れる。
 総本山へ参詣のため、自宅を十一時に出発。車中では、いくつかの「若き友へ贈る」の短文指導を、メモしたりする。東名高速に入ってから、なによりも高貴な庶民の味である、おにぎりを二ついただいた。
 三時半、もろもろのことを御祈念しながら御開扉。日達上人へのお目通りの帰りに、所化さんと大坊で卓球の試合をする。三対一で私の敗北。秀麗の富士とともに、正本堂の構築が聳え立って見える。
 戸田城聖の指導記録を、ここに再び残させていただく。
2  仏法は、決して進化論を否定するものではない。進化論は、あくまでも生命の発生した以後の、経過を説明したものであって、進化論によって、生命の真実相を説明できるというのは誤りである。
 運命、宿命を、どう扱うかによって、宗教の正邪がわかるものだ。定められた運命というものはなく、努力によって、すべて解決できる、という努力説もある。しかし、いかに努力しても解決できない運命をもっていることは事実だ。運命の根本もつかめないで、今世の性格が、運命をつくりだすものと思うのは、大きな誤りだ。
 飲料、交通、漁撈の条件のそろった河のほとりに、文明の発達がある。
 「魏志倭人伝」に、女王・卑弥呼が出てくる。その真実を究めることが、日本の歴史を知るうえで、大事な鍵となろう。
 歴史を学ぶことは、史観を養うことだ。
 時代が偉人を要求する。したがって、東洋に偉人が出たときは、西洋にも、偉人が出ているものだ。
 楠木正行は、肺病のため、若死にすることがわかっていた。そのため四条畷で死に場所を得、最初から死を覚悟して戦った。人間は、死にぎわが、最も大事である。
 秀吉の朝鮮出兵は、失敗であった。金を使い、兵力を費やした。豊臣家滅亡の因となった。
 いつの時代においても、英雄の死は、痛ましく、哀れなものだ。たとえていえば、関羽や、項羽の死がそうである。
 昔の男は、剣をもって起った。いま、それにあたるものは、経済力である。
 会社経営にあたっては、一つの成功した、模範になる会社を参考として、見習っていきながら、たえず向上していくことが大事である。
 将棋の指し方を、商売に生かして用いること。四手先、五手先を、読んでいくことである。
 将棋の上手な人は、一つの歩を動かすにも、五手先、六手先まで考える。その考え方を商売に生かして、なにをするにしても、二段、三段構えでやっていきなさい。
 雪山坊広間で、夜の七時より、第七回の本部部長会。この人たちこそ、学会後継者の中核である。ゆえに、厳父の愛で厳しく指導せざるをえない。九時より、正本堂建設小委員会。

1
1