Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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師の揮毫を指針に  

1971.6.1 「随筆 人間革命」「私の履歴書」「つれずれ随想」(池田大作全集第…

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1  “走り梅雨”の合間をぬってか、今朝は晴天。太陽の光線がひときわ強く、快い。
 昨夜は、遅くまでの執筆であったので、八時過ぎに起床した。早速、近所の子どもを呼び、妻と一緒に庭で遊ぶ。金魚草の花を摘んであげると「きれいな花、きれいな花だ」と大喜び。天女のような目。可愛らしい動作。
 朝の勤行を終えるころには、すでにH君が報告書類を持って待っていた。一日の行動の開始である。
 戸田城聖の指導メモを、今日もつづけて綴らせていただく。
2  仕事に出かけるときは「行ってまいります」と言うけれども、仕事は戦いなんだから「戦いに行ってまいります」と言うべきだ。
 批評を加えるときは、その批評の基準を、どこにおくかが問題である。
 世の中は、複雑で、簡単にいかない。あの人に、言わなければならない、この人にも、こう言わなければいけない等と、めんどうなものだ。
 栄養を摂らないと、頭が悪くなる。金がなくて、栄養の摂れぬ者は、市場か、八百屋へ行って、菜っ葉か、ネギのシッポを拾ってこい。よく洗って煮て食べるのだ。買ったのだって、拾ったのだって、栄養には変わりない。豆腐と味噌汁は良い。モツも入れて煮る。買うのが恥ずかしかったら、犬に食わせるのだ、と言って買え。
 一日の必要カロリーを、丸薬のようにしたものができれば、一日、一つ飲むと、一日のカロリーも充分であり、生活も簡単である──と先生にうかがってみた。
 先生は──食べるということは、一つの楽しみをあたえるものである。したがって、人生の楽しみが減ることになるから、まずい──と答えられた。
 両親が、働き盛りのときの子どもは優秀だ。子どもは、たくさんいたほうがよいと思う。最初と最後の子どもには、クセのある場合が多い。
 北海道の馬鈴薯を、本州に持ってきて作ると、良いものができる。それと同じように、異民族との間に交流が激しいほど、さらに優秀な民族が生まれる。親族結婚は、その点、よくない。
 日本が南北に長く、ちがった風土の人間同士が混血してきたことは、日本民族のすぐれた特質を伸ばしてきた。アメリカやソ連も、いろいろな民族から成っており、これが発展の一つの因になっている。
 新聞の政治漫画を見ると、政治情勢がよくわかるものだ。
 新聞を読むには、大見出しのみに、とらわれていてはいけない。小さい見出しからも、社会の動向を見抜いていかねばならぬ。経済の動向は、広告でわかるものだ。社説には、思想が表れている。
 昔は、不便で、ゆえに報道は局部的であった。現在は、通信網が非常に発達しているから、新聞などの報道は、社会、民衆を指導していく重要な役割をもっている。
 政界に、しばられない新聞社は最も強い。
 戸田城聖は、みずから執筆した本に、それぞれの意味を含めて揮毫し、弟子たちに贈ることがあった。多くの弟子たちは、それを指針として戦ってきた。伸一の書棚にも、深く静かに、十冊近い戸田城聖の揮毫の本が並んでいる。

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