Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

至極の原点を偲んで  

1971.5.20 「随筆 人間革命」「私の履歴書」「つれずれ随想」(池田大作全集…

前後
2  人間は、自分を人に良く見せようとするものだ。だれにでもその癖がある。ありのままの姿でいきなさい。私は、自分の卑屈さを、直すために努力したものだ。
 人から何回も注意されながら、時が過ぎれば、どのような人でも、角が取れ、良くなり、収まるところに収まるものだ。
 世界的な小説を、つねに読んでいき給え。
 普通のときの食事は安くとも、少しずつ貯金しておいて、たまには、一流のレストランで食事して、社会の勉強をすることも大事なことだ。
 君たちは、金がなければ、都電の、一駅や二駅ぐらいは歩け。若いのだ、苦労し給え。
 戸田城聖は、いつも学会幹部を、社会の指導者に育てゆくことに、全力を傾注していたのであろう──いま、彼の指導原理を読み返すと、あますところなく、その魂魄がうかがえるのである。
 人を引っ張っていくには、名誉欲と、金欲を、かなぐり捨てることだ。これらを捨てた人間ほど強く、いい意味で、手のつけられぬものはない。
 政治は、権力第一で、金力が従である。経済は、金力第一で、権力が従である。学会は、信心第一である。
 ひとつの組織のなかにおいて、建設的な反対意見を出す者がなければ、その組織は発展しない。──君たちは、幹部となっても、自分と反対意見を述べる者を、大切に扱わなければいけない。
 ユゴーの『九十三年』のなかに、砲手の怠慢によって、大砲が船の揺れとともに、甲板上を暴れ回ったという個所がある。砲手は、大砲を船に必死につないで、事なきをえた。将軍は、その砲手にまず勲章をあたえた後に、死刑に処した。これは一例であるが、このように、指導者というものは、賞罰を明らかにしなければいけない。
3  史進のこと──。
 師匠面すれや名を持てあます
 威張りちらせば陰で舌出す
 まことの力量そなはりてこそ
 きかぬ気小僧おそれ入るもの
 という『新訳 水滸伝』(佐藤春夫訳、中央公論社)中の一句を読まれて──面白いなあ。このとおりだ(笑われながら)。もう一度、読んでみなさい。これは、他の幹部にも教えよう。
 どのように立派な人間でも、短所がある。また、どのように凡々たる人間でも、長所がある。そこを活かして用いれば、人材として活躍できるのだ。
 人を使うということは、非常にむずかしく、重大なことである。人というものは、使う場所を間違えると、一軍の大敗を招く。
 外交の下手な者に外交をやらせたり、実務の下手な者を庶務にするのは、下手な使い方である。よく人を見て、その人に合った、働き場所をあたえることが必要だ。
 世には、無責任な大言壮語の指導は多いが、着実にして、的確な指導は少ない。これからも、伸一は、戸田城聖の言々句々を、折にふれて、掲載させていただくことにしたい。

1
2