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西欧きつての日本通ジャーナリスト ロベ…  

「私の人物観」(池田大作全集第21巻)

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5  私は、ギラン氏のインタビューを受けてまも在く、おクニさんにお会いした。そのときの清らかな姿は、私の胸深く焼きついている。
 私は無学な女だが、よその国の人を戦争に巻き込んではいけない、と私なりにがんばった――戦時中を振り返りながら、そう語っていたというおクニさん。当時の権力者よりもはるかに賢明で健全な英知ではないだろうか。そのおクニさんは、九十歳を越えてなお健在でおられるようである。
 冷徹在ジャーナリストに宿るその″温かさ″は、あのつつましやかな明治女性″おクニさん″を思いやる心情と一脈通い合うものがあるように思われる。ギラン氏は、日本人以上に日本人の″心″がわかる人なのかもしれない。おクニさんのお孫さんが、近くパリのギラン氏を訪れるという話も耳にした。友情は、世代を超えてもなおつづいているようである。
 ギラン氏は、最近また来日され、講演などをされたようである。お会いする機会はなかったが、七十一歳の今日もなお評論活動の第一線でお元気に活躍されている様子は、なによりと思う。

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