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日蓮大聖人・池田大作

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ロサンゼルス市長 ブラッドリー  

「私の人物観」(池田大作全集第21巻)

前後
4  市長との出会いは、あのカリフォルニアの空のようにきわやかなものだった。
 黒人市長は、アメリカで増えつつあるという。白人社会にあって常にマイノリティ(少数派)であった黒人が、しだいに人口比を増やし、選挙という民主主義のルールのなかで黒人市長を生み出したという見方もある。
 しかし、ブラッドリー市長の場合は、幅広く支持を集めるに足る人格、識見を備えている。
 気さくな庶民政治家にも思えた。こんな話を聞きおよんでいる。オイル・ショックでエネルギー危機に見舞われたとき、市長は見事なエネルギー削減計画をつくって、他都市のモデルになった。同時に、自ら家庭内にあっては、シャワーの湯になる前の水をバケツにとっておいて、トイレを流すのに使ったという。
 市長は「オープン・ハウスデー」なるものを設けているという。その日は、誰でもアポイントメントなしで市長に会えるのである。市長は一日中、執務室にいて、気軽に市民と対話する。粘り強く耳を傾け、応援できるものには、すぐ手を打つのだという。発想はできても、なかなか実行できないことである。
 まことに俊敏豪快な市長さんである。寡黙だが、妙な気取りや、世故に長けた老獪さなどとは程遠い、フランクなアメリカ紳士であった。中央政界に呼び出されるようなことがあっても、見事に手腕を発揮することだろう。
 精惇な、ダッシュに、さらに拍車のかかる時がくるかもしれない。

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