Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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三人の息子と私  

「わたしの随想集」「私の人生随想」「きのう きょう」(池田大作全集第19…

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4  子供は未来からの使者
 「わが家の教育方針」──という、ささやかなテーマから、思いがけず、大きいテーマに発展してしまった。子供の関心が、社会から宇宙にまで広がっていくように、家庭教育そのものも、文明全体の広がりのなかでとらえざるをえなくなってきている、時代の趨勢なのかもしれない。
 ともあれ、拡散しすぎたこの拙文を、どこかに核を求めて、凝縮するならば、それは、子供の人格を尊重するということになろうか。子供は、たとえ世の中も知らず、人生のなんたるかも知らなくとも、この世に生を享けたからには、それだけで、すでに一個の人格なのである。
 「子供は未来からの使者である」という言葉を、なにかの本で読み、なるほどと感心したことがあるが、まことにそのとおりである。この使者が、より以上に人格を築き、自己の使命を果たせるように、十分な条件をととのえてやるのが、親の責任であり、社会の役目であるが、その使命というものに、干渉したり、それを抑圧する権利は、たとえ親といえども、与えられていない。
 教育というものは、ここに視点をすえていけば、いっさいが生きていくのではないだろうか。

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