Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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東洋と西洋  

「わたしの随想集」「私の人生随想」「きのう きょう」(池田大作全集第19…

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3  昨今、欧米社会において、キリスト教に対する青年たちの無信仰化がいちじるしいという。知識階層の間でも、東洋の思想、宗教に、新しい指導理念を求めようとする人が目立ちはじめている。
 歴史の潮流は、西洋から東洋へ、大きく展開しはじめているようだ。しかし、そこに求められるべき東洋とは、たんなる精神主義や神秘主義に終始するものであってはならない。そうした極端な精神主義、神秘主義は現実逃避の気休め的な生き方をもたらすからである。
 現実から逃げ出したからといって、そこに幸福があるわけではない。要は、われわれを取り巻く、いっさいの環境をわれわれが支配していくか、逆に支配されるかである。人生の幸、不幸の分かれ目は、ここにある。
 科学文明に生きる現実の人生に、真の生命の息吹を蘇らせ、新たな文明の創造をもたらすものは、人間生命それ自体を解明した、本源的な思想への回帰でなければなるまい。

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