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日蓮大聖人・池田大作

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戦争と文明  

「私はこう思う」「私の人生観」「私の提言」(池田大作全集第18巻)

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3  人の心を変えることはたしかに容易ではない。根本的な変革には、さらに深い哲理とその実践の浸透が必要であろう。ただ、その一部分にすぎないかもしれないが、現実的な問題として、文明の尺度についての考え方、価値基準の転換が急務であることを、私は訴えておきたいのである。
 しかも、それはわれわれの身近な生活では、ごく当たり前のこととして常識化し慣習化していることである。腕白な子供たちの世界ではともかく、普通の社会では力が強いというだけで尊敬されるということはない。“力”がまかり通っている国際社会の不自然さは、この日常的な感覚を延長していったとき、かならず、だれにも、矛盾として実感されるにちがいない。
 社会的、政治的、国際的な不合理、矛盾というものも、人々の実感からくる、改善の機運の普及と盛りあがりによって、初めて根本的に改められていくのであろうと思う。
 人々の実感から遊離した改革は、いかに優れたものでも、早晩、崩れて元へ戻ってしまう。当たり前のことを、当たり前に語っていくところにこそ“当たり前でないこと”つまり不合理、矛盾を改める、最も強い衝撃を呼び起こしていけるのではあるまいか。

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