Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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世代の断絶  

「私はこう思う」「私の人生観」「私の提言」(池田大作全集第18巻)

前後
3  カーライルは「理想はお前の中に存在しており、障害もまたお前の中にあるのだ」(宇山直亮訳、日本教文社『カーライル選集Ⅰ』所収)と言っている。その通りである。すべては、自分という一個の生命の中に収まっているのだ。
 この自覚のもとに、時代と社会とに対し主体的に取り組み、改革し、建設していく人こそ、責任ある社会人といえよう。自分を時代の外におき、無責任な第三者の立場で批判するのでなく、責任ある主体者として振る舞っていくならば、世代の断絶などありえないと思うのである……。
 結局、世代の断絶とは、“無責任時代”の生んだ、責任のなすりあいの対立以外のなにものでもないように思えてならない。
 最後に、一言お断りしておきたい。くどいようであるが――世代の断絶を解消するということは、世代の差異がなくなることではない。初めに述べたように、人生の特質として、それぞれ、違いはどこまでも残ることは避けられない。ただ、それらが、おのおの適所を得て、全体としては見事な調和をあらわしていくところに、だれしもが願う、理想社会の姿があるのではなかろうか。

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