Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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人体の不思議  

「私はこう思う」「私の人生観」「私の提言」(池田大作全集第18巻)

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3  ともかく、この能動性こそ、生命の特質にちがいあるまい。その能動の力を与えるものが神といったものであると論ずる人もいるが、私には納得がいかない。生命とは、本来、能動的なものであり、他者によって動かされているのでは決してないと思う。
 だからといって、単に物質的にのみ考えられるテーマでもないようだ。たしかに現象としては物質的であろう。しかし、その現象を、現象たらしめている生命の内なる“法”があると、私には思えてならない。
 たとえば細胞の内部に、その能動性を発揮している根源的なものがあるとする。それでは、それはなぜ、形成されていったのであろうか。その根源的なものをつくりあげていった、それ以前の能動性は何なのか。そう考えると、人体の各器官に、なぜ能動性があるのかという問いかけと――あまり変わらないような気がする。私は、ここに生命を内的に掘り下げた、哲学の必要を痛感するのである。
 ともかく、人体は不可思議である。また驚嘆である。これほど、偉大なものを内に保っていることに思いをいたすときに、あらためて自己の至宝が、何であるかが鮮明に浮かびあがってくる。
 それは、あらゆる人々に共通である。人類が、最も尊厳な価値を与えるべきは、この生命という宝であると叫ばずにはいられない。

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