Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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わが家の夕めし
「私はこう思う」「私の人生観」「私の提言」(池田大作全集第18巻)
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人生の豊かさを味わうとき
夕方家に帰り、ひとフロ浴びて一日の汗を流し、家族とくつろいで賑やかに夕食をするというのは、もとよりこの世の楽しみの一つと思ってはいるものの、残念ながらそういう機会はあまりない。それでも平均したら二週間に一度ぐらいは、そうした団欒をつくるように心がけて実行している。
食事に関しては、私は恬淡なほうだと思っている。うまい、まずいは無論、舌にまかせて、なんでもうまいものが好きである。
朝は軽いものがいい。昼食はめったに食べない。これでは体が参ってしまうので、夕食は栄養第一に考えて、かなり注意と時間をかけている。
家での夕食がたまのことになるのは、学会などでの仕事がいつも山積し、片づけてもまた、たちまち山積するといったわけで、時間の工夫がなかなかつかず、地方への出張もその間に重なり、いかんともしがたい。
三人の子供たちは、わが家のたまさかの全員の夕食をはなはだ楽しみにしているらしい。ご馳走よりも、オヤジをまじえての夕食の雰囲気が、まず食欲をそそるらしい。育ち盛りの三人の男の子の食欲の旺盛さというものは、なかなか壮観である。腹も身の内などということは度外視され、目をみはるばかりである。この時、オヤジは平常の家庭的空腹を満たして、名誉を挽回する。
このような夕食には、朝鮮料理が適しているようだ。ある婦人雑誌の記者から直伝されたものであるが、教えられた通りに作ってみると、なるほどおいしい。いつか、わが家の料理の一つになってしまった。
このほか、妻の自慢料理は「ヒレかつ」であるが、家中の大歓迎の声に応えてくれるのは、年に何回かというところである。しかし気のおけない親しい友人を招く時など、妻はいつも「ヒレかつ」の腕をふるうのを最上のもてなしと心得ているようである。
命は食にあり――と言われているが、一日三回ずつ、毎日反復するからには、カロリーばかりでなく、食事の楽しさというものを私は尊重したい。人生を豊かにする一つの秘訣だ、と思っている。
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