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日蓮大聖人・池田大作

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4 人間の善悪両面性  

「21世紀への人間と哲学」デルボラフ(池田大作全集第13巻)

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8  池田 なるほど。仏教においても、釈尊の教えやその後のインドの論師たちの段階では、十界はバラバラのかたちでは示されていましたが、一人の人間生命にそなわる状態の多様性として、まとまったかたちでは説かれませんでした。これを一つの体系としてまとめあげ、人々の自己省察の規範として確立したのが中国の天台大師でした。
 いま言われたように、ヨーロッパでも、アリストテレスなどいく人かの哲人は、この仏教の十界論に近いものを説いてきたのでしょうが、それが体系化されるとともに、そうした教えが人々の自己反省のうえで、みずからの生命状態を明確に映しだす鏡となり、自身の生命的向上の手がかりとなっていくことが、なにより望まれますね。
 天台大師(五三八年―九七年) インド以来の大乗仏教の真髄を正しく伝えるために天台宗を開く。法華経の思想を根本に新たな中国的仏教を築き、その後の中国、日本の仏教の展開に大きな影響をあたえた。

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