Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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6 分割と統一
「21世紀への人間と哲学」デルボラフ(池田大作全集第13巻)
前後
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デルボラフ
第二次世界大戦と、その後の戦勝国間の紛争によってひきおこされた朝鮮およびべトナムの戦争は、苦しみながらそこに参加した国々にさまざまな結果をもたらしました。ドイツ、朝鮮、ベトナムは二分され、後者の二国の場合には、二分された同胞が敵として、はげしく、損害の多い戦闘をくりひろげるにいたりました。ただ、その分割は、朝鮮のように確定した場合と、ベトナムのように北から南への進出によって無効になった場合とがあります。
ドイツは分割こそまぬかれませんでしたが、軍事紛争までにはいたりませんでした。二つの原爆投下でひどい被害をこうむった日本の場合には、幸いにも、敵であったマッカーサーが平和交渉をつねに理性的におこない、戦争による被害を最小限にとどめようとしました。その典型は、日本を「東洋のスイス」にしたいという彼の言葉です。
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池田
日本についても、ソ連は二分を主張しました。幸いにして、このソ連の主張は連合国軍最高司令官マッカーサーによってしりぞけられましたので、日本は分裂の危機をまぬかれたのです。もし、分裂させられていたら、その悲しみ、苦しみは想像を絶するものとなっていたでしょう。
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デルボラフ
そういうわけで、ドイツと日本をくらべると、経済復興の出発点はけっして同じではありません。ただ同じだといえるのは、敗戦とその余波を全力で乗り越え、破壊されたものを生産によって創造的に埋めあわせるだけでなく、さらにそれを追いこそうという目標に、両国民が挑戦していったことです。
われわれドイツ国民の場合、この建設と復興への努力は、敗戦と国土分割というにがい体験を、なんとか埋めあわせようという単純な欲求のあらわれであったのかもしれません。また、かくも予想だにできなかったドイツ経済の復興と繁栄をもたらした結果は、この奇跡の生みの親であるルートヴィッヒ・エアハルトが奨励した消費志向だけだったのかもしれません。
同じような疑問は、分割されずにすんだ日本の場合にも提起できるかと思います。いずれにしても、日独両国民とも、この経済的成果のおかげで、極度に傷つけられていた自意識も回復してきましたし、あの陰惨で恥ずべき過去を乗り越えることができたといえるでしょう。
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統一の回復
一九九〇年十月に、四十五年ぶりに悲願の統一ドイツが実現。東西冷戦の象徴だった“ベルリンの壁”も八九年に崩壊した。
ルートヴィッヒ・エアハルト
(一八九七年―一九七七年)一九四九年に経済相に就任し旧・西ドイツの復興を推進。首相〈在任六三年―六六年〉もつとめた。
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