5 追 記 この対談が完結して原稿の最終整理段階にあった一九八七年七月十四日、デルボラフ教授の突然の訃報に接しました。 教授はそれに先立つ一カ月ほど前から体調をくずされ、ボンの病院に入院しておられましたが、病床にあってもなおこの対談集の原稿をはなさず、いつも目をとおしておられたとうかがいました。その後、愛嬢のエルケ・ヤルヌート博士が最終原稿を検討し完成してくださり、翌八八年三月、ドイツ語版『Auf der Suche nacheiner neuen Humanitat(新しい人間像を求めて)』が、ニュフェンブルガー社から発刊されました。 そしてさらに、このほど、英語版『Search for a New Humanity』とともに日本語版が上梓されることは、亡きデルボラフ教授も、なによりの贐として喜んでおられると信じています。なお、日本語版の題名については、本対談のテーマをふまえ『二十一世紀への人間と哲学』と改題いたしました。 一九八八年九月 教授の御冥福を衷心より祈りつつ 池田 大作