Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

第十章 太陽の誕生、人生と宇…  

「宇宙と仏法を語る」(池田大作全集第10巻)

前後
13  期待される「量子力学」の進歩
 池田 まえにも申し上げましたが、仏法では「妙は死法は生なり」という法理があります。「妙」すなわち、目には見えない根源の力が、「法」すなわち、目に見える現象世界を動かしていく、という意義になりましょうか。
 ですからいまのお話は、いわば科学の最先端の考え方でしょうが、そうした観点からみると、たしかに「妙は死」、「法は生」という法理が理解できますね。
 木口 「量子力学」の発達は、いままで人間が信ずることもできなかったことを証明しています。
 ―― なるほど。
 池田 御文に「法界は妙法なり」とあります。
 日蓮大聖人の仏法の基盤は、妙法、つまり宇宙の根源法の当体に唱題すれば、大宇宙の国土、衆生、生命というものに、すべて祈りが通ずるということになっております。
 ―― すごい法理です。想像もつかない。
 池田 また「妙の文字は月なり日なり星なりかがみなり」という御文もあります。
 妙法の力用は、銀河系にも、何億光年のさきまでも、じつは通じていくものである、とおっしゃっているわけです。
 ―― 雪山童子が生命を捨てようとしてまで、願求したという理由もわかるような気がします。
 池田 それは、いわゆる通途の仏法での修行の段階です。
 いわんや、大聖人の文底下種独一本門の仏法たる「南無妙法蓮華経」は、法界すなわち、大宇宙へ通ずる大法であると明かされているわけです。
 木口 とうてい観念だけでは理解もおよびませんが、いつもながら仏法は、甚深の哲理と思いますね。
 ―― ところで、イギリスに『ネイチュア』という週刊の科学雑誌があります。この雑誌の編集長がこの夏(一九八三年)、「日本の科学技術特集号」の取材で来日しました。
 木口 そうでしたね。『ネイチュア』の創刊(一八六九年)には、進化論のダーウィンも関係していますし、この雑誌に研究論文が載るのがノーベル賞への近道といわれています。
 池田 この記者会見のもようは、たしか新聞にも載っていましたね。「今後おもしろくなりそうなのは量子力学で、花形になるだろう」というような話であったと思いますが……。
 ―― ええ、量子力学の分野から、「物理的世界の根本に関するエキサイティングな発見が出てくる可能性がある」と、科学界の今後の展望を強調していたのが印象的でした。
 木口 私も、まったくそう思います。
 こんどノーベル賞を受けたアメリカのチャンドラセカール博士(インド生まれ、シカゴ大学教授。星、宇宙の生成、進化を研究)も、天文学に量子力学をもちこみ、白色矮星を予言した功績に対して与えられています。
 量子力学というのは一面、哲学に近い科学ということもできます。
 ですから、この学問の進歩は、人間の価値観を大転換させる可能性があるといわれています。

1
13