Nichiren・Ikeda
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第二章 宇宙と人間の「根本法…
「宇宙と仏法を語る」(池田大作全集第10巻)
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15 光速宇宙船での旅
―― ところで、話題を少々変えたいと思いますが……。先日、おもしろいエッセーを書く画家の方から、こんな話を聞きました。
人間がインフルエンザにかかって、寝込んでしまうのは、人間を地球の大きさにすると、インフルエンザのウイルスは、フットボールの球ほどになる。
ですから、カゼをひくのは、地球がそのボールに当たって、ひっくり返ったようなものだ(笑い)、というわけです。
このたとえはどうでしょう木口さん、正確でしょうか。(笑い)
木口 そうですね。ウイルスは、〇・四から〇・〇一ミクロンで、最も小さな病原体です。一ミクロンとは、一ミリの千分の一ですから、だいたいその比較のとおりの関係になりますね。
ちなみにウイルスは、光学顕微鏡では見ることもできませんが、電子顕微鏡ですと写真にまで写せます。
―― オランダのR・ハウインという人が、こんな意表をついた思考ばかりを集めています。そのおもしろいデータを参照しながら、さきほどの「光年」をもう少し考えてみたいと思いますが。
木口 おもしろいですね。
―― たとえば、マゼラン星雲のなかで輝く恒星から、今夜、私たちのところに届いた光は「北京原人が洞穴で木を燃やしていた時期(数十万年前)から、いわば“視覚的挨拶”をもたらした」そうですから、じつに長い旅を重ねてきているわけです。
池田 光速の宇宙船(秒速三十万キロ)で、天の川へ向かうと、地球を出発して「太陽を横切るのにわずか八分後」と聞いたことがありますが、本当ですか。
木口 ええ、そのとおりになりますね。
池田 また出発から四十五分後には、木星の重力圏を突っきり、八十分で土星まで行く、五時間もたてば冥王星、そのあとは、果てしなき宇宙の海原をただよい、四年あまり飛びつづけて、アルファ・ケンタウルス(太陽系から最も近い恒星)があらわれ、オリオン座のリゲル(青い一等星)を目の当たりにするのに六百年、ともなにかで読んだことがありますが……。ともかく光の速さでもこれだけかかる。まことに、広大無辺の宇宙としかいいようがない。
木口 そうです。宇宙船では何世代もが交代し、子々孫々にわたり乗り継いでいくことになります。そうしますと、事実上、光より速いロケットができないかぎり、宇宙の大航海は不可能のようにみえます。
ところが、アインシュタインの特殊相対性理論では、決して不可能ではないことになります。
池田 なるほど、「ウラシマ効果」のことですね。スピードが上がることによって、地球からみて宇宙船内の時間の進み方が変化してくる。
木口 ええ、そうです。
―― その点についても、のちほど詳しく論じていただきたいと思います。