Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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科学の成果の医学への応用  

「第三の虹の橋」アナトーリ・A・ログノフ(池田大作全集第7巻)

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4  ソ連では精系脈管移植の問題が研究されています。動物の場合、こうした手術は好結果を上げています。たとえば、ねずみの場合、精系脈管移植後、子孫を得ることに成功しました。
 以上指摘した実例以外に、ソ連では四肢、膵臓、骨髄、組織の移植分野での方法論の研究調査が進められており、微生物の文化過程に対する微生物環境の影響が研究されています。
 多分、私は臓器移植の分野でソ連が行っていることのすべてを列挙したと思います。
 ここで私は臓器移植のテーマのうち別して特殊な問題にやや詳しくふれてみたいと思います。臓器を供与者から患者へ移植する場合、ソ連医学がまず第一にめざすのは“人間の改造”でもなく、移植された器官への患者の“適応性”でもありません。それは患者に対する被移植器官の“異種性”を減少させる方法を研究することなのです。このようにしてまず第一に、人間が健康体になるような状態を実現することをめざしているのです。
 また現代医学に対しては、移植のために使われる器官の生活力の判断基準といった複雑な問題も提起されており、近年、世界の多くの国の医学者がこれらの問題に取り組んでいます。
 現在、セフ(経済相互援助会議)機構内に移植問題特別国際組織が設置されました。ソ連はこの国際研究連合体に加入し、一連のプログラムについて学術研究作業を行っています。
 あなたはご自分の問題提起のなかでもう一つのテーマにふれられました。それは死を判定する問題です。新しい判断基準によりますと、死が確定されるのは息を引きとった時でもなく、また心臓の鼓動が止まった時でもありません。それは、脳波が平坦になったことによって確定されるのです。これがすなわち生物学的死の到来を立証するわけです。

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