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日蓮大聖人・池田大作

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社会に開かれた大学へ  

「第三の虹の橋」アナトーリ・A・ログノフ(池田大作全集第7巻)

前後
5  以上いろいろの課題を提起しましたが、だからといって従来の試験ずみの教育・研究形態を忘れるべきだということでは決してありません。まず第一に、教育課程と研究作業の有機的な結合ということが前提となります。大学は基礎的研究を効果的に行い、さまざまな学問領域の専門家を動員して総合的に研究課題を解決することができる場です。そこに、大学における科学発展の展望があるといえましょう。大学は各知識分野の優れた専門家を結集しており、さらに、大学教育の志向するもの自体、普遍性をもっていますので、学問の共同研究と結びついた諸問題を最も効果的に解決することができるのです。
 教育・研究の双方の発展過程に見られるこれらすべての統合傾向は、各学部間の全面的な交流を確立し、未来の大学に新たな特徴を付与することになるでしょう。
 最後に、大学がつねに当面してきたきわめて重要な課題にふれておきたいと思います。私たちは、既存のあらゆる形の学生教育手段を用いて、勤勉心、崇高な倫理観、人格権の尊重、社会観、祖国愛、他国民とその文化伝統の尊敬を学生に植えつけなければなりません。また、私たちとしては、学生が広範にわたって生活に対する関心を深め、積極的な生活姿勢を確立するよう援助すべきです。さらに私たちは、学生が文学や音楽、絵画や建築、総じて芸術を愛し、理解するよう教えなければなりません。
 今日、多くの点で科学技術が革新された結果、人類の歴史は真に世界的なものになっています。そして、世界のすべての国民があらゆる領域の精神および物質面において緊密に共同するようになっています。そうしたなかにあって、人間活動のさまざまな形態の間の相関性を解明すべく使命を帯びた大学教育は、人類が地球上の一人一人に対して完璧な生活を保障するための最良の方法を見つけだすのを当然助けることになりましょう。そこに私たちの主要な課題があるといえます。

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