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日蓮大聖人・池田大作

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キリスト教と東洋  

「闇は暁を求めて」ルネ・ユイグ(池田大作全集第5巻)

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9  私はさきほど、すでに退廃の道をたどっていたローマにおいて、神秘的宗教が入っていたことを暗示しましたが、それらは、解毒剤の役割を果たす東洋世界の反映も伝えていたのです。私たちの文明の特徴を示すたくさんの要素が、恐らく、ヨーロッパの中世のあいだも、十字軍によって行われたイスラム世界との接触からきていることがますます明らかになってきています。辿っていくと、このイスラムから、さらには、ペルシャやインドにまで広がります。
 近世になってからも、やはり同じような交流がありますが、方向は逆で、西洋が東洋へと返し波のように押し寄せるようになり、植民地主義につづいて、工業と技術の文明の異常な伝播があらわれます。この工業と技術の文明が、地球のあらゆる地域を汚し、すでに述べたように憂慮すべき結果を招いているのです。
 まさに、ヨーロッパの極端に物質主義的な行き方によって生じた力が、いまや、交代の法則による結果を受け継いで、これに対する反動を待望させているのであり、またあなた方がなさっている、古い源から一つの蘇生の波を起こす努力に対し、かくも大きな関心を払わせているのです。

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