Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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仏教による生活価値  

「闇は暁を求めて」ルネ・ユイグ(池田大作全集第5巻)

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17  生命が“それ自体としての価値”であることは、根本的なことで、なにものも、それを否定はしません。しかし、それは、すべての生命の向上と、いっそうの“価値の増大”をもたらす価値の段階の出発点でしかありません。そして、私には、この能力こそ、人間の役割と、その最も根本的な任務を説明するものであるようにみえます。ここから、美と善が、二つの基本的な方向としてあらわれ、各人の生命が価値と質において勝ちとり、自分の生命をつくることができるようにするのです。生命自体、一つの与えられたもので、それは、いうなれば、基本的な“生”の価値で、美と善によって、その長所を増大させることができるのです。
 要するに、生命は私たち各人に与えられた“価値”であり、それは、カントがいったように取り換えられないものです。しかし、それは、まさしく、生命だけが、“価値の増大”を追求する力、才能をもっているからであり、そこに、その存在理由があるというのが、私の確信です。

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