Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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自由と道徳  

「闇は暁を求めて」ルネ・ユイグ(池田大作全集第5巻)

前後
11  たとえば憎しみにとらわれて復讐を誓う人を自由な人間といえるか、権力欲に支配されて権謀術数に明け暮れる人の日々は、真に自由を実現した人の生活といえるかということです。したがって私は、自由というものの究極の問題は、人間の内面性の深化ということに尽きるのではないかと考えます。たとえばピアノを前におかれたとき、人はそれを他人に売り飛ばすことも、ハンマーで叩き壊すことも、でたらめに鍵盤をたたいて騒音を出すこともできますが、真に価値を創造するためには、自由を恣意的に用いてそのように行為するのではなく、自律的に制御をして演奏の技術を習得することが必要であり、最高の価値を生むためには最高の技術を体得しなければなりません。自らをそのように律しうるところに自由の極致があり、そのような自由を獲得していくところに人間の尊厳性があると私は考えます。

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