Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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自律の喪失  

「闇は暁を求めて」ルネ・ユイグ(池田大作全集第5巻)

前後
12  私が恐れるのは、不幸なことに、現代の文明は、これらの部分的で偏った解決法の後者のほうに没入しているため、その平衡を取り戻して、逆戻りしないで補整しながら進むということが困難になっていくのではないかということです。現代文明のように進んでしまっている場合は、これまでやってきたことを元へ戻すことは不可能で、その行きつくところまで、ということはたぶん、破局に到達するまで行かざるをえないのではないかということです。
 人類が危機を前にして、必要なことに気づき、これまでの行き過ぎを修正しながら、新しい型の文明を再発足させるためには、ときとして、こうした破局も必要です。この恐れは無視できません。なぜなら、現代の文明は、自らを修正しようとするどころか、冷酷にも全世界に拡大しようとしていることがはっきりしているからです。そこでは、道がみつからないうちは一つの本能的で暴力的な危機が、たくさんの苦悩をひきおこしているのですが、だからこそ、ただ一つの出口がこの危機の中に見いだされるということが可能です。

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