Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

農業の運命  

「闇は暁を求めて」ルネ・ユイグ(池田大作全集第5巻)

前後
14  十八世紀以来、知識階層は合理主義の無分別な勝利をめざしてきました。さらに近年になっては、その同じ道程においてですが、知識階層は、マルクス主義の教条主義とその物質主義にしがみついています。しかし、この脱線はこれくらいにして、毛沢東に戻りましょう。大工業の集中を避けて、分散した、したがって農村生活の段階に見合った工業でその埋め合わせをしようとした彼の努力は、どんなに強調してもしすぎることはないでしょう。
 私は中国に行ったことはないので、これがどのていど打ち立てられ、どれだけ実現されたか、知ることができません。しかし、私はそこに、西洋資本主義文明にもロシア・マルクス主義文明にも同様にあらわれている危機に対する意識の端緒が見られると思うのです。
 あらゆる点からわかることは、たぶん敵対しあっている、しかし同じ病弊を示しているこの苦境から脱出すべき時がきているということです。そしてまた、危機におちいった現代文明は、もし、政治による解決を見いだす希望がほとんどないなら、その精神自体を変革する方向へ向かうべきであるということも、私たちには明らかなことです。

1
14