Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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空間における混乱  

「闇は暁を求めて」ルネ・ユイグ(池田大作全集第5巻)

前後
7  ところで、ロマン主義者たちは、創造者としては最も極端な個人主義者でしたが、自然の調整の働きによって、彼らは自然と融合し自然の中に沈潜することを夢見ていたのです。これは、孤立化と交流との弁証法がそこに働いているということ、そして、それなくしては人間は正常に自己を形成できないということの一つの新しい証明です。
 同じように、私たちは精神生活において、世界を表現し、それについての近づきやすく消化しやすい表現(表象)を保持したいという欲求とともに、感覚能力によって、それと一種の一致状態になり、それによって宇宙生命に参画している感覚を生命に得たいという欲求をもっています。私たちは、これら二つの極のあいだに均衡を保っていかなければなりません。
 他人やさまざまな“存在”との触れ合い、自然やさまざまな“事物”との触れ合い、一体感の源泉となるものや“宇宙的なもの”との触れ合い、これらは芸術的能力のおかげであるとともに宗教的精神によって得られるものであり、これらこそ、独立を熱望する自我と、至高の開花である全的なものとのあいだに必要な循環を各人の内に築くのに不可欠の梯子段なのです。

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