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日蓮大聖人・池田大作

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序文  池田大作  

「闇は暁を求めて」ルネ・ユイグ(池田大作全集第5巻)

前後
8  ルネ・ユイグ氏は、現代フランスの屈指の美術史家、美術批評家であられる。しかも、ユイグ氏は、たんに美術作品の研究家であることにとどまらず、美術作品を生み出す人間の魂の深みに対しても、すぐれて明晰な観察をされており、氏の数多くの著作は、その深遠な人間探究の書ともなっている。氏の『見えるものとの対話』の一節などは、仏教の生命論の根本である十界論とまったく合致する内容をもっているほどである。
 西洋文明の土壌の中に培われたすぐれた知性の代表としてのルネ・ユイグ氏に対し、私は学者としてではなく、東洋の仏法の実践家として人生を歩んできた。同じ学者同士の対話とちがって、うまくかみあっていないところもあるかもしれない。この対話は、二つの歯車のかみあいとしてではなく、二つの魂の相互照射として読んでいただければ幸いである。そしてなによりも、ユイグ氏という明晰な鏡を得て自らを映しみる機会を与えられたことを、私は感謝している。

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