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日蓮大聖人・池田大作

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理論と実践  

「社会と宗教」ブライアン・ウィルソン(池田大作全集第6巻)

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3  宗教は、今日、多くの人にとって、非実用的で時代遅れのもののように思われており、その結果、棄て去られつつあります。伝統的宗教に代わって、現在、多くの新しい宗教運動がある程度成功しているのは、現代の諸問題への実際的な治療法と称するものを提供しているからです。
 キリスト教は、信仰者に要求される行いに関しての一定の基準を明細に述べてはいますが、同時に、きわめて一般論的な倫理を伝える傾向も帯びてきています。この意味では、キリスト教もまた、各個人の人生にもたらす、その変革力に最大の影響力を見出そうと努力しています。このことは、特にプロテスタントの場合に当てはまることですが、カトリック信仰の伝統や、新しいカリスマ的刷新運動にも、間違いなく見られます。
 キリスト教神学とキリスト教的実践とは、完全に一致しているとは言い難いでしょうし、事実、この両者はいずれもあまりに多種多様であるため、一概に論ずることはできませんが、しかし、キリスト教信仰の傾向性としては、現代世界によりよく適応するのに必要な資質を各個人に具えさせようという、内的な方向へと向かってきています。

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