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日蓮大聖人・池田大作

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宗教は文明をリードしうるか  

「社会と宗教」ブライアン・ウィルソン(池田大作全集第6巻)

前後
6  池田 いま教授は「人間的な性向が導き出される源泉は、宗教以外には存在しないようだ」と述べられ「雑多で多様な地方的関心と、全人類の地球的文明・文化という普遍的で何より重要な目標とを連結する絆が作られ、その溝に橋がかけられることがあるとすれば、それができるのは、おそらく宗教しかない」と言われました。このお答えは、私がかねてから抱いている考えと、まったく合致しております。
 宗教が果たすべき根本的な役割は、人間性を豊かに、かつ深く、強くすることです。これを私は、恩師戸田城聖第二代会長の思想を承けて、「人間革命」と呼んでいます。この人間性を深め、豊かにすることは、現代の科学の発達や経済の発展、社会機構の整備などによっては不可能です。というよりも、むしろ、これらの現代の文明や生活様式こそ、人間性を貧弱なものにしてきた原因であるかもしれません。
 この現代社会における、一人一人の人間性の貧弱化が、家庭や地域においてさまざまな問題をもたらすとともに、全人類的次元においても、人類そのものの滅亡をもたらすかもしれない、深刻な問題を引き起こしているのです。まさに、雑多な地方的関心と、普遍的な全人類の目標とをつないでいるものは“人間性”の問題であり、宗教は、この“人間性”の問題に取り組むことによって、まさしく教授が言われるように「その溝に橋をかける」ことができるのです。

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