Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

混淆宗教  

「社会と宗教」ブライアン・ウィルソン(池田大作全集第6巻)

前後
10  (注1)バラモン教
 紀元前数世紀よりインドにおいてバラモン階級を中心として発達した民族宗教。
 『リグ・ヴェーダ』『ヤジュル・ヴェーダ』等のヴェーダの宗教を継承し、ヒンズー教に発展して現在にいたっている。インドの伝統的民族生活の根幹をなす哲学思想とその解釈、神学および祭式、儀軌、宗教事象全般を包含していう。
 (注2)梵天王
 大梵天王ともいう。娑婆世界の主とされるMaha^brahmanの訳。仏教では、帝釈天王と共に仏陀および仏陀の正法を行ずる者を守護する諸天善神とされている。
 (注3)帝釈天
 S’akroDeva^namIndrahの訳釈提桓因天帝釈ともいう。インド神話上の最高神で雷神であった。仏教では梵天王と共に護法の神となり、須弥山に住み、四天王を従えて、利天の主として、この天に住する三十三神を統領する。釈尊が過去世で修行中、種々に姿を変えてその求道心を試みたが、成道後は守護を誓ったとされる。法華経序品では、眷属二万と共に会座に連なった。
 (注4)四天王
 須弥山(古代インドの世界観で、世界の中心にあるとされる山)の四面の中腹にある四王天(持国天・増長天・広目天・多聞天)の主で、仏法を護持する四人の天王のこと。四天・四大天王ともいう。それぞれ一天下を護ることから護世四天ともいう。帝釈天の外将で、仏教では法華経序品第一で眷属二万の天子と共につらなり、同陀羅尼品第二十六で法華経の行者の守護を誓っている。
 (注5)阿修羅
 Asuraの音写。略して修羅ともいう。古代インドでは初め善神であったが、後には帝釈天等の善神と戦う悪神となる。須弥山の外輪の大海の底に住むという。その容貌は醜く、身体はきわめて大きく、常に武器を持っているとされている。
 (注6)本生譚
 釈尊が過去世において菩薩道を行じていたときに衆生を救った多くの善行を述べた物語をいう。漢訳に六度集経、生経、菩薩本縁経、菩薩本行経などがあり、パーリ経典のジャータカが名高い。
 (注7)雪山童子
 釈尊が過去世で修行していたときの名。雪山で菩薩の修行をしていたとき、帝釈天が羅刹(鬼)に化身して現れ、童子に向かって過去仏の説いた偈を半分だけ述べた。これを聞いた童子は喜んで残りの半偈を聞きたいと願い、その身を羅刹に食せしめることを約束して半偈を聞き、その偈を所々に書きつけて樹の上から身を投げた。羅刹は帝釈天の姿に戻り、童子の身体を受けとめ、その不惜身命の姿勢を褒め、未来の成仏を説いて姿を消したという。
 (注8)教皇グレゴリウス一世(五四〇年ごろ―六〇四年)
 ローマ教皇(在位五九〇―六〇四年)。混乱するイタリアにおけるローマ教会の独立性を高め、東ローマとランゴバルトの調停を図るなど、政治、外交上に手腕を発揮した。教会内部の問題としては聖職の売買を禁止し、布教事業、社会事業を奨励、特に貧民、難民、捕虜等を保護し、またローマ、シチリア等の教会領を統治、拡張した。ゲルマン民族の重要性を認めて、遠くアングロ・サクソンにまで伝道を行ったり、フランク族との関係を深めた。現存する八百四十八編の書簡や聖書解説、司牧規則は彼が優れた神学者、文学者であったことを示す。
 (注9)メリトゥス(?―六二四年)
 教皇グレゴリウス一世によってイギリスに派遣され(六〇一年)、カンタベリーのアウグスティヌスによってカンタベリー大主教に聖別された。
 (注10)悪魔崇拝
 キリスト教でいう悪魔とは、神への敵対者という概念である。聖書ではサタン(悪魔)もしくはルシファー(魔王)とされ、高慢と嫉妬の罰によって天国から堕ちた天使が他の魔物たちの首領になったとされる。中世キリスト教徒の間では、あらゆる外来の信仰を、神に敵対するもの、したがって悪魔に由来するものと考えるのが常識になっていた。このため、呪術や異端信仰は、たやすく悪魔崇拝の概念に組み入れられた。
 (注11)呪術(Magic)
 宗教とは対照的に、呪術(もしくは魔術)は自動的な働きをし、ひたすら個人的利益のみを求め、秘密裡に機能し、手段的活動としての情緒的な信奉を一切求めない。実際には宗教と呪術は絡み合っているが、宗教が発展していく過程の中で、呪術の自動的な要素がしだいに、より倫理的・慈愛的・愛他的な気質へと変容することが一般に認められている。
 (注12)秘蹟
 キリスト教で、キリストによって定められた恩恵を受けるための儀式。カトリックでは洗礼、婚姻など七つあるが、プロテスタントでは洗礼、聖餐(イエスの血と肉を表すパンと葡萄酒を会衆に分かつ儀式)の二つのみ。
 (注13)ガンダーラ
 パキスタンのペシャーワルを中心とする、インダス河とその支流のカーブル河の合流する地域一帯を指す。紀元前後に数世紀にわたって栄えた仏教芸術を、ガンダーラ美術という。
 (注14)サヴォナローラ(一四五二年―一四九八年)
 イタリアの宗教改革者。ドミニコ会の修道士から説教者となって教会の堕落を攻撃し、政治的自由を提唱、僣主メディチ家を攻撃してフィレンツェ市政の改革を行い、厳しい神権政治を断行し、ルネサンスの美術作品を堕落として激しく攻撃した。

1
10