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日蓮大聖人・池田大作

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ソビエトの印象  

「人間革命と人間の条件」アンドレ・マルロー(池田大作全集第4巻)

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3  池田 昨年、私がコスイギン首相と会談したときにも、ソ連はもはや侵略主義の道をとろうとはしていないということを聞きましたし、そのことばが真実であるとの印象を受けました。少なくとも私は、そう信じたいと思います。「二十一世紀は明るいとみてよいか」という私の問いに、「私もそれを望んでいる」と、しみじみとした口調で語り、核軍縮の懸案を解決することが急務であることを、さかんに強調していました。
 現在の世界情勢がデタント(緊張緩和)へ向かっていると信じるのは、あるいは理想主義的にすぎるという見方もあるでしょうが、ともかくこの究極の流れを見定めなければ、人類がいま起こすべき行動の第一歩も生まれないにちがいありません。
 ともかく、昨年、中国、ソ連をあいついで訪問したときに、そこで強く感じたことは、庶民が平和を愛し、平和を求めているという事実です。両国の首脳とも会見しましたが、率直にいって、人間的な親近感と信頼感をもつことができました。国家と国家が対立して争いをつづけているのは、歴史的な相克から生じた不信感がたがいに先入観となって、それがどうしてもさきに立ち、相互理解の妨げになっているからだといってよい。
 この不信の氷をとかすには、人間レベルでの交流──具体的には教育・学術をはじめとする文化交流、さらには過去の確執にとらわれることの少ない若い世代の交流の推進につくすことが、なによりも大切であろうと思っています。
 ところであなたは、これからの世界のリーダーシップをとるのはどの国だとお考えですか。

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