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日蓮大聖人・池田大作

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人間こそ歴史創出の主役 復旦大学記念講演

1994.6.9 「平和提言」「記念講演」「論文」(池田大作全集第1巻)

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8  新しい世界史の夜明けを
 ともあれ、歴史の流れは、一刻もとどまってはいません。貴国の大詩人・李白の言葉を借りれば「天地は万物の逆旅げきりょにして光陰は百代の過客かきゃく」であります。
 人間とりわけ民衆が、脇役に甘んじてきた歴史に、一日も早く終止符を打たなければなりません。それには″タテ″に自立の人間像を掘り下げ、確立するとともに、″ヨコ″には、そうした人間と人間とを結ぶ世界市民の連帯の波を、千波万波と広げていかなければなりません。
 時代の急速な流れは、″宇宙船地球号″の時代を迎え、世界はあらゆる意味で緊密な一体化を強めつつあります。中国の歴史であれ、日本の歴史であれ、世界史の運命と切り離しては考えられないのが現代の状況であります。明暗のめまぐるしく交差する歴史の流れを、希望あふるる世紀へと切り開いていくには、人間こそ主役であるという歴史観の確立が必要であります。
 それとともに、宇宙船地球号という地球市民の連帯が必要になってきたことを、お互いに確認する時代に入ったことを強く自覚していかねばならないと思うのであります。
 最後に、今までも、またこれからも、中国そして世界の逸材を八十年近く生み出してこられた復旦大学のますますの大興隆を、切に切にお祈り申し上げ、私のつたない話とさせていただきます。
 (昭和59年6月9日 復旦大学)

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