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日蓮大聖人・池田大作

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二十一世紀への提言 UCLA記念講演

1974.4.1 「平和提言」「記念講演」「論文」(池田大作全集第1巻)

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14  私達の人生は、また宇宙のあらゆる現象は車輪が回るごとく、展転きわまりないものであります。しかし、煩悩、欲望の泥沼の上をあえぎながら走るか、確固とした「大我」を悟った生命の大地の上を走りゆくかによって、その回転は変わってくる。その時、初めて文明は確かな足どりをもって動き始めるといえましょう。
 二十一世紀が夢に見た人間謳歌の文明になるかどうかは、一にかかって、人間そのものに目を向け、常住不変、不動の力強い不変の生命を発見しうるかどうかにかかっている。そして今は、まさにその分岐点であることを、本日、私は皆さんに訴えたいのであります。
 二十世紀後期から二十一世紀にかけての現代は、まさしく人間が真に人間となるか否かの転換期であると、私は考える。これまでは、極論かもしれませんが、人間は知性を持った動物の域を出なかった。私の信奉する七百年前の日蓮大聖人の教典の中に「才能ある畜生」という表現がありますが、現代において、この言葉の持つ意味が極めて明確になりつつあります。人間は知性的に人間であるだけではなく、精神的、更に生命的にも、人間として跳躍を遂げなければならないと信ずるものであります。
 その課題は、今日の誰人にも課せられております。まず、自ら人間としての自立の道を模索すべきだと思います。私は仏法によって、その「生命の旅」を開始いたしました。皆さんも、一人一人が未曾有の転換期に立つ若き建設者、開拓者として、それぞれの「人間自立の道」を考えていただきたい。私は本日、そのための参考として仏法の英知の一端をお話しいたしました。この講演が、皆さん一人一人にとって何らかの指標となれば幸いであります。(大拍手)
 (昭和49年4月1日 カリフォルニア大学ロサンゼルス校)

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