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日蓮大聖人・池田大作

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世界平和のために  

「人生問答」松下幸之助(池田大作全集第8巻)

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24  平和を守る義務
 松下 お互い国民として果たすべき、責任とか義務というものについては、憲法その他の法律に定められているものもあれば、成文化されていなくても、いわば無言のうちにお互いが承認しあっているような倫理的道徳的なものもあると思います。そこで、そのような有形無形の国民としての義務のなかで、これはとくに大切だというょうな、三大義務あるいは五大義務といったものをかりに考えるとすれば、それはどういう項目になるでしょうか。
 池田 私は平凡な一庶民であって、国民の三大義務とか五大義務を示す立場ではありません。また義務は本来的に、誰かが示すというものでもないと思います。時代に生きる民衆が自然のうちに生みだし、定めていくものかと思います。
 ただ、あえて一点あげれば「平和を守る義務」ということです。今後の日本の進路を考えると、ここに日本の人びと全体のコンセンサスを高め、人類の平和のリーダーシップをとっていくことの必要性を痛感いたします。平和は、人間が願う最も基本的な欲求ではありますが、今日まで、この欲求を満たしえてきたとはけっしていえません。平和を脅かす要因は、人間社会のなかに常に深く宿っているようです。
 ユネスコ憲章の前文に「戦争は人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」という指導精神がうたわれていますが、私は、平和を守るという、この一点を国民的義務として訴えておきたいと思います。

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