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日蓮大聖人・池田大作

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方便品(第二章) 「諸法実相」の心──…  

講義「法華経の智慧」(池田大作全集第29-31巻)

前後
13  タゴールはうたった。
 「この世は味わい深く、大地の塵までが美しい」(森本達雄著『ガンディーとタゴール』〈第三文明社〉の中で紹介)と。
 彼は子を思う母の心を、こう綴っています。
 「坊や、おまえにきれいな色のおもちゃをもってくるとき、母さんにはわかります──どうして雲や水にあんなに美しい色彩の戯れがあるのかが、どうして花々が色とりどりに染められているのかが。坊や、おまえにきれいな色のおもちゃをあげるとき。
 おまえを踊らせようと歌うとき、母さんにはほんとうにわかります──どうして木の葉のなかに音楽があるのかが、どうして浪たちが耳を澄ませて聴いている大地の心臓にさまざまな声の合唱を送るのかが。おまえを踊らせようと歌うとき」(同前)
 子を慈しむ母の心には、色鮮やかな世界が輝いている。生き生きとした生命の音律が響いている。愛は、生命の個別性を超えて、「不二」という生命の実相へと心を開くからです。
 ならば全人類を慈愛で包みゆかんとする私どもの人生には、どんなにすばらしい生命の光彩が、音楽が、満ちあふれていくことか。
 「諸法実相」と確信すれば、今いるこの場所が「常寂光土」です。
 「生きてること自体が、絶対に楽しい」
 戸田先生が言われた、この大歓喜の世界を、現実の大地に創り拡げていく。その晴れやかな「挑戦の人生」を、法華経は教えているのです。

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