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日蓮大聖人・池田大作

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第26巻 「勇将」 勇将

小説「新・人間革命」

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67  勇将(67)
 山本伸一は、参加者に笑顔を向けると、快活に呼びかけた。
 「勝ちましょう! 勇気を奮い起こして自分自身に挑み勝つんです。それが、人生の、ご家庭の、広宣流布の勝利になります。
 前進しましょう! 私と一緒に、誇らかな勝利のドラマをつくりましょう!
 幸せになるために、広宣流布のために生まれてきた私たちではないですか! この世の使命を勇んで果たしゆくなかに、幸福の直道があるんです。歓喜があるんです。生命の躍動があるんです。境涯革命があるんです。
 奈良県創価学会のますますの発展と同志のご多幸を心よりお祈り申し上げ、私の話とさせていただきます。
 では、皆で万歳をしましょう!
 皆さんご自身の健康と長寿と勝利、ご家族の繁栄、そして、創価学会の大発展を祝しての万歳です」
 県長の沖本徳光がマイクに向かい、力のこもった声で音頭をとった。
 「万歳! 万歳! 万歳!」
 唱和する皆の声が、明日香文化会館にこだました。それは、人生と広布の勝利を誓う、勇将の雄叫びであった。
 伸一は、ピアノを弾いて参加者を励ましたあと、さらに、二階の広間に向かった。一階の大広間に入りきれなかった人が、スピーカーから流れる音声を聴いていたのだ。
 「ご苦労様! お会いしに来ましたよ。
 明日香文化会館は見事に完成しました。立派な会館です。しかし、建物はモノにすぎない。魂はありません。皆さんが、わが生命に″信心の王城″を、″広布の師弟城″を築き上げることによって、会館に魂を打ち込むことができるんです。つまり、″私は、こう戦い、勝ちました! 広宣流布の栄光の道を開きました!″と、堂々と語ることができる、自身の勝利の歴史を打ち立てることです。
 立ちましょう! 師子じゃないですか!」
 伸一の師子吼は、厳冬の明日香に、勇将たちの闘魂を芽吹かせた。

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