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日蓮大聖人・池田大作

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第24巻 「人間教育」 人間教育

小説「新・人間革命」

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54  人間教育(54)
 第三東京本部の婦人・女子部の代表が集った教育部研修会で、山本伸一は、人間教育実践の場について語った。
 「御書には、『法妙なるが故に人貴し・人貴きが故に所尊し』とあります。持つ法が最高に優れていれば、それを持つ人も貴い。持つ人が貴ければ、その人のいる場所も尊いとの意味です。
 大聖人の仏法は、生命尊厳の法理であり、最高の人間革命の教え、すなわち、人間教育の大法であります。その法を実践する皆さんは、最高の人間教育の教師であります。そして、皆さんのいるその場所は、学校であれ、家庭であれ、地域であれ、すべて最高の人間教育の現場となるのであります」
 教育部員に限らず、自分に連なる一切の人に、生命の触発を、希望を、勇気を与え、一人ひとりの秘めたる力を引き出し、幸福の道へと共に歩むことが、学会員の尊き使命であると、伸一は考えていた。
 つまり、わが同志のいるところは、ことごとく人間教育の教室とならねばならない。そして、その先駆者こそが、教育部員であることを、伸一は訴えたかったのである。
 研修会の最後に、彼は呼びかけた。
 「皆さんが出した本のタイトル『体あたり先生奮戦記』のように、何事も″体当たり″で進まなければ、事態は開けません。″体当たり″とは勇気の行動です。必死であり、真剣勝負ということです。その時に、自分の殻を打ち破り、人生のドラマが生まれる。やりましょう! 人間革命の大ドラマを、共々につくろうではありませんか!」
 伸一の励ましによって、教育部は、新時代の大空に、雄々しく飛翔していった。全国津々浦々に、「平和の世紀」「生命の世紀」を開く人間教育の潮流が広がっていったのだ。
 自らが教職を終えたあとも、地域の信頼の柱となって貢献する教育部の友も多い。
 人類の闇を破り、未来を照らし出すことができる光は、「教育」という太陽である。

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