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日蓮大聖人・池田大作

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第23巻 「敢闘」 敢闘

小説「新・人間革命」

前後
53  敢闘(53)
 埼玉県文化祭翌日の八月三十日、山本伸一は、埼玉文化会館(現在の大宮文化会館)で、文化祭の運営関係者らと共に、新装記念勤行会を行った。
 同会館は、一九六九年(昭和四十四年)に埼玉本部として開館し、この七六年(同五十一年)に新装され、埼玉文化会館と改称されたのである。
 勤行会の席上、伸一は、埼玉創価学会が、さらに発展を重ねていくために、「伸びのびと」「朗らかに」「忍耐強く」との三項目の指針を示したのだ。
 皆が、伸び伸びと、朗らかに活動に励んでこそ、自主性、創造性が生まれ、運動は無限の広がりをもっていく。
 また、地球が宇宙の軌道を、リズム正しく運行するように、忍耐強い信仰の持続のなかにこそ、広宣流布の前進はある。
 彼は、それを、愛する埼玉の同志に、強く訴えておきたかったのである。
 ――八月は終わろうとしていた。伸一は、この夏も、間断なく、走りに走った。疲労はあった。しかし、充実と達成感に満ちた、心地よい疲労であった。彼の胸には、黄金の太陽が輝く、晴れやかな青空が広がっていた。
 「真の信仰とは、今自分がしているすべてのことに全力をつくして打ち込むことなのです」(注)とは、ナイチンゲールの箴言だ。
 来る日も、来る日も、自身を完全燃焼させ、力を尽くし、同志を励ます。もう一人、もう一軒、もう一会場と、自らを鼓舞して、歩みを運ぶ。そして、友の奮起を、幸せを祈り、生命を振り絞るようにして、対話を交わす。
 その目立たぬ、地道な労作業のなかにこそ、広宣流布を決する「敢闘」があるのだ。
  敢闘の
    歴史留めし
      幾山河
    勝利勝利と
      旗翻る

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