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日蓮大聖人・池田大作

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第17巻 「希望」 希望

小説「新・人間革命」

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68  希望(68)
 関西創価学園は、女子学園の時代を含め、開校三十三年目を迎えた。
 今や東京の創価学園とともに、日本を代表する最優秀の人間教育の府となった。
 世界市民の育成をめざして語学教育にも力を注いできた結果、英検の優秀団体として表彰もされている。
 また、NASA(米航空宇宙局)が行っている教育プログラム「アースカム」への参加は、世界最多の連続十六回を数える。「アースカム」とは宇宙から地球を写真撮影し、地球について学ぶ取り組みである。
 さらにディベート部、硬式野球部、箏曲部、吹奏楽部、ダンス部、陸上部、バレーボール部、剣道部などが、全国大会で活躍し、ラグビー部、囲碁部、合唱団などが、関西の大会で優秀な成績を収めてきた。
 また、卒業生は約一万人となり、大学教員や小学・中学・高校の教員など、教育関係者も多い。
 母校の関西創価学園で教鞭をとっている卒業生もおり、そのなかには、山本正弘が担任を務めたクラスで学んだ男子の一期生もいる。
 さらに、医師、看護師、弁護士、公認会計士、議員などとして社会に貢献するメンバーも数多い。その活躍の舞台は、日本国内にとどまらず、世界五大州に及んでいる。
 しかし、伸一が何よりも嬉しいのは、学園出身者が、民衆を守り、民衆に奉仕する精神を堅持し抜いていることだ。
 人間は等しく幸福になる権利をもっている。それを実現するための価値創造の教育、人間主義の教育が創価教育である。ゆえに、一人ひとりが、その実現に生涯を傾けていってこそ、創価教育の結実がある。
 したがって学園出身者は、「平和をいかに創造するか」「人間のための社会をどう実現するか」といった、人類の不幸をなくすための闘争を永遠にとどめてはならない。
 不幸を見過ごすな!民衆を守れ! 人間を守れ! 平和を守れ!
 それこそが山本伸一の学園生への遺言であり、魂の叫びなのだ。
 そして、その実践のなかに、創立者との″師弟共戦″の希望の道がある。
 「君も王者と栄光の旗
 君も勝利と栄光の旗」
 伸一が学園生と共に作った校歌の結びである。

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