Nichiren・Ikeda
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41 錬磨(41)
体育大会は昼休みをはさんで、リレーなどの各種競技や婦人部二千人の舞踊、女子部のダンス「若い力」などが続けられた。
競技の結果は、男子部は文京支部が、女子部は横須賀支部が優勝を飾った。
表彰が終わり、最後に、会長山本伸一が演壇に上がった。彼は、青年たちへの敬意と期待を込めて、語り始めた。
「口で平和を論じ、幸福を論ずることは容易であります。しかし、仏法という生命の大哲理のもとに、現実に自身の幸福を打ち立てながら、友も、社会も、国も、人類も幸福にしている団体は、我が創価学会以外に断じてありません。
恩師は″青年は国の柱である″と言われ、心から青年に期待をかけておられました。日本の現状を思う時、真実の柱となって日本を救うのは、日蓮大聖人の仏法を、慈悲の哲理を奉持した創価学会青年部以外にないと断言しておきたい。
私は約十年間にわたって恩師戸田先生に仕え、広宣流布の精神と原理と構想とを教えていただき、広布のバトンを受け継ぎました。
私は戸田先生の弟子として、その″魂のバトン″を手に、人類の幸福と平和のために、力の続く限り走り抜いてまいる決心でございます。そして、私が『広宣流布の総仕上げを頼むぞ』と、最後にそのバトンを託すのは、ほかならぬ青年部の諸君であります。
私は、皆さんが東洋へ、世界へと、広布の走者として走りゆくために、先駆となって、道を切り開いていく決心です。
願わくは、私の意志を受け継ぎ、生涯、人々の幸福のため、平和のために生き抜いていただきたい。
また、各家庭にあっては両親を大切にし、社会にあっては職場の第一人者となり、支部にあっては年配の方々を優しく包み、周囲の誰からも信頼される青年に育っていただきたいのであります。
諸君が、日本、東洋、全世界の人々の依怙依託となられんことを心から念願して、あいさつに代える次第でございます」
すべて伸一の率直な真情であった。短いあいさつを終えると、爆発的な拍手が起こった。
彼は、ふとスタンドの彼方を見上げた。青空に鳩の群れが舞っていた。
空に道は見えない。しかし、空を行く鳥はそれを知っている。
伸一の目には、未来へと伸びる広宣流布の一本の道が、金色の光を放って輝くのが見えた。