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信越最高協議会  

2007.8.24 スピーチ(聖教新聞2007年下)

前後
1  この8月、広宣流布の偉大な推進力である学会伝統の研修会が、有意義に開催されてきた。
 本日の協議会をはじめ、これらの諸行事を陰に陽に、厳然と支えてくださっている同志の皆様方に、私は改めて心から御礼を申し上げたい。
 師匠・戸田先生は繰り返し教えられた。
 「形式ではなく、事実の上で、皆のため、社会のため、人類のために働き、貢献している人をこそ、最大に尊敬していかねばならない」
 まさに、わが尊き同志の姿である。
 私が、戸田先生のもとで広宣流布の使命に立ち上がって、この8月24日で60周年。ありがたいことに、世界がこの日を祝賀してくださっている。
 ブラジルからは、パラナ州のシアノルテ市で、この日を記念して、私と妻への「名誉市民」称号の授与式が行われるとの連絡をいただいた。
 真剣に、誠実に、社会貢献を積み重ねておられる、敬愛する同志とともに謹んで拝受したい。
 また、これまで私は、全同志を代表して、世界の五大州の大学・学術機関から218の名誉学術称号をお受けした。アメリカのハーバード大学をはじめ、海外の諸大学・学術機関での講演も32回に及んでいる。
 どうしても日程の都合がつかず、長男(池田副理事長)が代理として各国を訪れ、名誉市民称号や名誉学術称号を拝受したり、講演を代読したことも多くあった。
 ともあれ、こうした栄誉はすべて、各国・各地域で「良き市民」として活躍する創価の同志とともに、お受けしたものである。
 私たち夫婦は、これら全世界からの栄誉を、偉大なる師匠・戸田先生に捧げたい。
2  豊かな人間性を
 現在、私は、北欧デンマークの著名な教育者ヘニングセン先生(アスコー国民高等学校・元校長)と対談を重ねている。〈月刊誌「パンプキン」に連載中〉
 このデンマークの名門アスコー国民高等学校では、今夏も、わが創価大学生と創価学園生が、充実の研修の歴史を刻んでいる。
 教育が、人類にとってどれほど重要であるか。チェコの教育思想家コメニウスは述べている。
 「教育されなくては(中略)人間は人間になることができない」(鈴木秀勇訳『世界教育学選集24大教授学1』明治図書出版)
 「学校は人間を本当の人間にする」(同)
 英知と豊かな人間性を備えた人材を育てていく。それが教育の真の目的である。
 牧口先生、戸田先生が注目していたアメリカの教育哲学者デューイは綴った。
 「教育は、あらゆる人が、社会全体の幸福に関心を抱くようにさせねばならない。そうすることで、彼らは、人々の状況を良くしようと尽くす中に、自らの幸福を見出していけるようになるであろう」
 自分のことだけでなく、社会や世界のために行動する。それでこそ、より価値のある人生を築いていくことができるのである。
3  デンマークが誇る大哲学者キルケゴールは述べている。
 「人が信念を自分自身の生を通じて、行為の上で現わすとき、これが信念をもっていることの唯一の真の証明ではないだろうか?」(田淵義三郎訳「さまざまの精神における建徳的講話1」、『キルケゴールの講話・遺稿集3』所収、新地書房)
 まったく、その通りと思う。「信念」といっても、口先ではわからない。それが、いかなる「行為」となって現れる、かで決まる。
 キルケゴールは、こうも語っている。
 「確かに、機先を制することはそれだけでも偉大な勝利である。しかし同時に、まさに初心を忘れないように行動することが重要である。
 初めはとてもすばらしくても、その次の瞬間には、まずもって役に立つどころか、邪魔になるような場合ほど、人間にとって破壊的なものは何もないであろう」(浜田恂子訳「四つの建徳的講話」、『キルケゴールの講話・遺稿集2』所収、新地書房)
 深い示唆に富んだ言葉である。「初心」を忘れず進み続ける──その人こそ、栄光の人生を歩むことができるのである。

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